【中受07】令和の中学受験 ~矢野耕平/著~
再読推奨度(☆1:小~☆5:大)
☆☆☆☆☆(親)
難易度(☆1:優しい~☆5:難しい)
☆(親)
感想
これから中学受験を検討する親御さんはもとより、既に中学受験に向かっている方にもお薦めの書籍です。「保護者のための参考書」と謳っているだけある内容となっていました。購入する価値は十分にあると感じました。
作中引用(感情が動いた文言等)
・中学受験は「6年生の入試本番終了日」までの「期限付き」の世界なので「限界」がある。
・「限界」を意識して子に接している保護者の子は、ぐんぐん学力を高められる可能性がある。
・中学受験を「二人三脚」で乗り切る家庭の子は、中学入学後に学力が低迷する。
・適当な距離を保ち、子が自ら学習に励む場合、中学入学後も学力が伸びる。
ー国語得意の子の幼少期の共通点ー
①保護者とたくさん会話をしている
②絵本がたくさんあり、保護者が読み聞かせをしている
③家庭が新聞を購読している
・大切なのは、子供のレベルにあわせず、大人のことばで会話すること。
ー塾通い前にやることー
・算数
①計算技術の取得。百マス計算も有効。九九の暗記
②日常の「長さ」、「重さ」、「かさ」などの単位に触れる
・理科
①家の手伝い、料理の補助などの経験
②ニュースや天気予報を毎日チェック
③博物館、プラネタリウムへ行く
・社会
①旅行時に、地図を見るクセづけ
②ニュースを見る習慣づけ
ー準備に出遅れたらー
①最初は付きっきりで管理し、教える。(親がツケを払う)
②塾が肩代わりをしてくれると思ったら、甘い
③感情的に𠮟らないよう、気をつける
④子供が「自立」して受験勉強を行えるようにする
・大切なのは、中学受験時の「学習状況」のレベルを、保護者が理解すること。
ー親に求められる3つの覚悟ー
①子の成績に一喜一憂しない
②中学受験を決めたら、意思を貫徹する
③勉強をする子供をかわいそうと思わない
・保護者(大人)が、子の積極性を引き出せるかがポイントとなる。
・中高一貫校6年での子供の財産になるのは「友達」。
・「偏差値レベル」が高いほど、「精神年齢」の平均値が高くなる傾向がある。
ー男子校、女子校のメリット・デメリットー
メリット 互いの本音をぶつけやすい
大人になっても人間関係が続きやすい
外見で判断されず、生命力、個性が評価されやすい
ガリ勉が評価されやすい
受験勉強に専念しやすい
デメリット 人間関係のトラブルが発生しやすい
・中高6年間で、どんな子供たちに育てたいか、しっかり保護者に伝えられる学校は「良い学校」
・中学受験の主体は子ども、心から行きたい学校ができれば、モチベーションが上がる。
・「わが子に合う」学校は、おそらく存在しない。
・「第一志望校」は一校でなくても構わない。
・塾選びのポイントは、「どんな講師に習えるか」である。
・中学受験は課金ゲームではない。
ー塾選定のポイントー
①教育理念・指導方針・指導カリキュラム
②子:勉強が専念できる、親:家庭のケアされる環境
③安定の塾生数、幅広い学校の合格実績
④HP更新の頻度
⑤事務受付対応、料金受領システムの整備
ー良い講師とはー
①カリスマ講師である必要はない
②子に親身に接し、家庭からの相談をしっかり聞き、アドバイスをくれる人
ー塾をやめたいと言った場合ー
①テキスト、質、量が今の学力に合っているか
②不明点を塾の講師に適時質問できてるか
③必要以上の課題に取り組んでいないか
④遠回りの学習をしていないか
ー教育とはー
①子が「自ら教わり、自ら育つ」ように周囲の大人たちが働きかけること
②「やるきスイッチ」を押せるのは、子ども自身でしかない
・「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(肥前国平戸藩第9代藩主:松浦静山の格言)
・「合格に不思議の合格あり、不合格に不思議の不合格なし」
・子が自信喪失したとき、演技でいいから、救う温かな言葉を投げ続けること。
ー中学受験期(6年生)の保護者はー
①不安であっても、泰然自若の姿勢を貫く
②常に「平常心」を保っているように「ふるまう」姿勢が、合格を手繰り寄せる
③「いかに特別なことをしないか」という「努力」を行う
ー受験直前、生活リズムの作り方ー
①一週間の学習の流れの「ルーティン化」
②就寝・起床のタイミングの一律化
③「無理」な学習スケジュールを組まない
④「自由時間」の確保
ー中学入試直前期 3つの「ない」(親子とも)ー
①自分の受験校、成績を絶対に「言わない」
②他人の受験校、成績を絶対に「たずねない」
③どんなに仲良しでも絶対に「群れない」
ー模試試験、志望校の選定目安(同じ種類の模試試験を、小学6年生の夏以降に3~5回程度受験した平均値から割り出す)ー
挑戦校・・・平均偏差値プラス4以上
実力相応校・・・平均値プラマイ3
安全校・・・平均値マイナス4以下
・「安全校」を受験して、確かな結果が届く用意を親か行うこと。
ー「1月入試」の活用法ー
①2月以降の本命校の絶好の備えとなる
②但し、練習台、すべり止めなどと甘い考えは禁物
・受験パターン構築の際、保護者は徹底して「臆病」になるべき。
・中学受験を終わらせるのも親の務めであり、どのような結果であれ、子に労いの言葉をかける。
・「全敗」は親のせい(戦略的に組み合わせていけば、まず全敗はない)
・中学受験は「自ら教わり、自ら育つ」姿勢を身に着けられる絶好の機会となる。